生産者

ワインの個性はブドウ品種やテロワールに左右されますが、生産者の哲学も重要な要素です。たとえば、同じボルドー/ポムロールのメルロー主体でも、シャトー・ペトリュスはコンクリートタンクを用い年間約3万本の少量生産。10年以上の長期熟成が前提の緻密で荘厳なクラシックスタイルを追求します。シャトー・ル・パンは新樽のフレンチオーク小樽を用い、年間7,000本前後と超少量生産。5年目くらいから楽しめる果実味あふれる官能的なモダンスタイルが特徴で、両者の味わいは大きく異なります。
ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ
DRCは、ブルゴーニュのヴォーヌ・ロマネ村に本拠を構える世界最高峰のワイン生産者で、ロマネ・コンティやラ・ターシュといった特級畑を単独所有することでも知られます。ビオディナミ農法を採用し、極限まで収量を抑えたブドウ栽培と、野生酵母による自然発酵が、ブドウが持つ本来のポテンシャルを最大限に引き出します。全房発酵を基本としながらも、タンニンの抽出はあくまで繊細に行われ、ワインに気品と奥行きを与えます。また、新樽100%で長期熟成されるにもかかわらず、その樽香がブドウの繊細な果実味を圧倒することなく、見事に溶け込み、完璧なバランスを保つ点は、DRCの卓越した技術の証です。
DRCの歴史には、数々の伝説的なエピソードが残されていますが、中でも特に有名なのが1945年ヴィンテージに関するものです。この年、ロマネ・コンティのブドウ樹がフィロキセラの被害を受け、収量は1/10となりました。しかし凝縮感のある非常に質の高いブドウは高品質なワインに仕立てられ、わずか600本という希少性もあり、のちに世界最高額で落札され、伝説のワインとなりました。その後アメリカ系台木に接ぎ木され、1952年から新しいブドウ樹でのビンテージがリリースされ現在に至っています。
畑、醸造、そしてその歴史のすべてが、唯一無二の存在として、ブルゴーニュワインの最高峰に君臨し続けています。

市場参考価格は国内オンラインショップのうち品質に気を配っていると思われるショップ約20店舗の毎月月初の最高値を表示しています。

詳細はhttps://www.wine-searcher.com/average-priceをご確認ください。