生産者

ワインの個性はブドウ品種やテロワールに左右されますが、生産者の哲学も重要な要素です。たとえば、同じボルドー/ポムロールのメルロー主体でも、シャトー・ペトリュスはコンクリートタンクを用い年間約3万本の少量生産。10年以上の長期熟成が前提の緻密で荘厳なクラシックスタイルを追求します。シャトー・ル・パンは新樽のフレンチオーク小樽を用い、年間7,000本前後と超少量生産。5年目くらいから楽しめる果実味あふれる官能的なモダンスタイルが特徴で、両者の味わいは大きく異なります。
ドメーヌ・ジャン・マルク・ボワイヨ
Domaine Jean‑Marc Boillotは、ブルゴーニュ地方ピュリニー・モンラッシェ村を拠点とする名門生産者で、白・赤とも高い品質を誇ります。白は完熟果の収穫と軽いバトナージュによる厚みとミネラル感の調和、赤は果実味とタンニンのバランスを追求。新樽比率はヴィンテージに応じ柔軟に調整し、果実の純粋さを尊重するスタイルです。
ジャン・マルク氏は父方がボワイヨ家、母方がエティエンヌ・ソゼ家という名門の血を受け継ぎ、かつてオリヴィエ・ルフレーヴ社で醸造責任者を務めた後、1985年に自身のドメーヌを創設。ピュリニー、ムルソー、ヴォルネイなどの優良区画を手がけています。
家族と醸造哲学で対立し独立しましたが、後に和解、畑の一部を譲り受けたことが、ドメーヌの拡大と成功につながったという経緯があります。伝統と個性を融合させた、現代ブルゴーニュを代表する造り手の一人です。ちなみに、「完璧主義者」として知られるドメーヌ・アンリ・ボワイヨの当主、アンリ・ボワイヨ氏はジャン・マルク氏の兄弟です。

市場参考価格は国内オンラインショップのうち品質に気を配っていると思われるショップ約20店舗の毎月月初の最高値を表示しています。

詳細はhttps://www.wine-searcher.com/average-priceをご確認ください。