生産者

ワインの個性はブドウ品種やテロワールに左右されますが、生産者の哲学も重要な要素です。たとえば、同じボルドー/ポムロールのメルロー主体でも、シャトー・ペトリュスはコンクリートタンクを用い年間約3万本の少量生産。10年以上の長期熟成が前提の緻密で荘厳なクラシックスタイルを追求します。シャトー・ル・パンは新樽のフレンチオーク小樽を用い、年間7,000本前後と超少量生産。5年目くらいから楽しめる果実味あふれる官能的なモダンスタイルが特徴で、両者の味わいは大きく異なります。
シャトー・ラフィット・ロートシルト
Château Lafite Rothschildは、ボルドー・メドック地区ポイヤック村に位置する1855年格付け第1級の筆頭とされる名門シャトーです。砂利質の土壌がもたらすしなやかで芳香豊かなスタイルが特徴で、特にカベルネ・ソーヴィニョンの比率が高く、繊細さと構造の美しい均衡を持つ長熟型ワインを生み出します。区画ごとの醸造、新樽比率の調整、光学式選果機など最新技術を駆使しつつも、伝統を守る姿勢が貫かれています。
18世紀フランス宮廷において非常に高い評価を得たことで、「王のワイン」と呼ばれていました。フランス国王ルイ15世の公妾ポンパドゥール夫人、デュ・バリー夫人がラフィットを愛飲し、後にマリー・アントワネットにも好まれたという記録があります。こうした歴史的背景に加え、現代でも圧倒的なブランド力と市場価値を誇るラフィットは、優雅さと威厳を兼ね備えたボルドーの象徴的存在です。

市場参考価格は国内オンラインショップのうち品質に気を配っていると思われるショップ約20店舗の毎月月初の最高値を表示しています。

詳細はhttps://www.wine-searcher.com/average-priceをご確認ください。