生産者

ワインの個性はブドウ品種やテロワールに左右されますが、生産者の哲学も重要な要素です。たとえば、同じボルドー/ポムロールのメルロー主体でも、シャトー・ペトリュスはコンクリートタンクを用い年間約3万本の少量生産。10年以上の長期熟成が前提の緻密で荘厳なクラシックスタイルを追求します。シャトー・ル・パンは新樽のフレンチオーク小樽を用い、年間7,000本前後と超少量生産。5年目くらいから楽しめる果実味あふれる官能的なモダンスタイルが特徴で、両者の味わいは大きく異なります。
ドメーヌ・ルロワ
Domaine Leroyは、メゾン・ルロワの当主、ラルー・ビーズ=ルロワ女史が1992年にDRCの共同経営を離れる少し前、1988年に設立したブルゴーニュ屈指の生産者です。このドメーヌの設立の資金は、メゾン・ルロワの一部株式を高島屋に売却することで賄われました。全区画でビオディナミ農法を徹底し、極限まで収量を抑え、完熟かつ健全な果実だけを使用。発酵は天然酵母、全房発酵比率は年によって変えるものの、抽出は非常に繊細に行い、新樽100%で熟成させます。樽香と果実味が見事に溶け合い、驚くほどの密度と緊張感、長い余韻を持つワインを生みます。ドメーヌ・シャルル・ノエラとフィリップ・レミーの畑を買収後、当時「革命的」と言われた有機農法を経て、さらにビオディナミへ転換したことは、畑を生きた有機体とみなす彼女の考えの実践に他なりません。「ワインは畑で造られる(Le vin se fait à la vigne)」という彼女の言葉がルロワを象徴するフレーズとして広く知られています。

市場参考価格は国内オンラインショップのうち品質に気を配っていると思われるショップ約20店舗の毎月月初の最高値を表示しています。

詳細はhttps://www.wine-searcher.com/average-priceをご確認ください。